読売新聞「ひと模様」に掲載されました。


2016.11.28お知らせ

読売新聞「五輪選手 けがから守る 〜JOC強化スタッフとして活躍したスポーツ整体師〜」

(以下、掲載記事より転載)

 リオデジャネイロ五輪で日本オリンピック委員会から医科学分野の強化スタッフを委嘱され、トランポリン女子の中野蘭菜選手の体のケアを担当した。「ずっと支えてきた子の五輪出場は本当にうれしい」と顔をほころばせる。

 スポーツ好きで、剣道、柔道、野球などに打ち込んで来た。専門学校を卒業して柔道整復師の資格を取得し、21歳から金沢市内の整形外科病院に勤めた。

 自身のけがの経験を踏まえ、けがの予防とけがからの回復の手法を突き詰めてきた。「一時的にテーピングを巻いても痛みそのものは治らない。どうすれば根治できるか」と考え、情報収集するうちに解剖学に傾倒。病院で勤務する傍ら、週末は関西の整体師の元に通った。学んだことを細かくノートに書き留め、寝る間を惜しんで勉強を重ねてきた。

 全国大会に出場する名門・星稜高校トランポリン部の男子部員が勤務先に来院したことがきっかけで、2012年から同部のトレーナーに就任。そこで中野選手との出会いがあった。

 トランポリンはフレームの外に落下すれば大けがにつながりかねず、けがをしないための入念な準備が求められる競技。「中野選手は肩が硬い。トランポリンで両腕をバンザイにした状態で着地するが、肩が硬いと着地時にバランスを崩しかねないので特に丁寧に施術している」と気遣う。

 今年4月に独立し、金沢市鳴和に整体院を開院した。中野選手は「ケガする前に体の異常に気づいてくれる」と全幅の信頼を寄せ、リオ五輪への出発当日にも来院した。スポーツ関係以外にも、四肢の不調やめまいなど様々な体の悩みを訴える人が訪れ、「自分を頼って来てくれる人たちのために、さらに腕を磨きたい」と責任感に燃える。

 20年は東京五輪・パラリンピックも控えている。「リオ五輪では現地へ同行しなかったが、東京では選手と一緒に五輪の舞台に挑みたい」と意気込んでいる。

(高梨しのぶ)

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