第5話 必死すぎて覚えてない
2022.10.04ブログ
玄関から中に入り、
「押忍!お願いします!」と挨拶をし入室。
当時、選手会の監督である国本師範と初対面。
国「お前か!話は聞いてるぞ!よく来たな!」
島「押忍!お願いします!」
国「よし、そしたらそこに更衣室があるから着替えてこい!」
と言われ、着替えた後に畳のある道場に入る。
そこには、筋骨隆々の坊主で髭を生やした、
神威のある男達が7人、準備運動をしながら開始を待っていました。
国「よし!みんなの前で挨拶しろ!」
島「押忍!諸江町道場から来た島野です!16歳です、よろしくお願いします、押忍!」
選手7人「押〜忍」
いよいよ、稽古が始まる。
国「よーし!まずはスクワット200回だ!号令」
髭を生やしたコワモテの男達が一斉に大きな鏡の前で腕を振りながらお尻を上げ下げする。
スクワットなんてやって事ないので、とにかく必死にやりましたが、100回すぎて足が小鹿のようにブルブル震え出す・・
時間にして6分ほど、永遠に続くんじゃないかと思ったほどのスクワットが終わると、ズラーっと並んだサンドバッグを8人で20秒ラッシュで交代に叩く蹴るを40本。
他の選手達は己の精神を極限の状態に持っていくように、気合を出しながら、ずーっと打ち続けてる。
「んー!しんどい、休みたい・・しかし自分の意思で来た以上、弱音は吐けない」
サンドバッグなんて初めてで、隣の選手の見よう見まねで打ち続ける。
しかも素手素足で殴る蹴る、とにかく拳とスネが痛い、足の甲まで痛くなってきて、血が出てるんじゃないかと何度も足の状態を確認してしまう。
そんな私を見て、隣にいた選手がこっちを睨みつけてる。
「なになに、睨まれてる・・こわい」
とうとうその先輩が私に話しかけてきました。
先「おい!極真空手は痛いのが当たり前なんや!だから我慢せんかい!」
島「押忍!!」と慌てて返事をする。
(心の声)「うわー、名言出た」とひそかに思う。
国「よーし!40本終わり!はい、次は組手」
足を見たら、両足の爪から血が出ており、足の甲全体が真っ赤に!
とんでもないところに来てしまった・・
ここからこの異常な人達との殴り合い蹴り合いの組手が始まる。
つづく