第7話 蜀の桟道
2022.10.06ブログ
- 選手会に入門してからの高校生活は、
まさに断崖絶壁を狭い道で目的地まで辿り着けるか、辞めたい、逃げたい気持ちとの戦い、
精神的にもギリギリの状態でした。
学校から帰宅後、1人で自宅の目の前の電柱に座布団をヒモで強く巻き付けて、パンチ、蹴りをひたすらやっていました。
硬いところに蹴ったり殴ったりすると、拳の骨やスネが硬くなります。
硬くなるとパンチや蹴りの強さが上がります。
柔らかいプラスチックのバットよりも、硬い金属バットでボールを打った方がより飛びますよね、それと同様です。
電信柱に座布団を巻き付けると、ちょうど良い硬さになります。
また、気持ちを奮い立たせる為に、坊主にした事もありました。
「部活動をやっていないのに、なぜ島野は坊主なんだ?」と他の生徒から見れば謎だったでしょう。
「最速で強くなるにはこの道しかない」と言い聞かし、できる事をやりました。
高校生活も、常に316人中312番周辺をうろうろするような成績で、ある日、私含めた赤点常連の生徒達が、講義室に呼び出しを食らいました。
井森先生(英語)から、
井「あんた達はいつも赤点ばかり取って!」
と怒られます。
しかし、私はその当時から、
(自分は他の生徒とは違う試練を乗り越える為に学校生活を送っている、赤点なんぞ)と思っていたので、
島「井森先生!
俺たちは・・俺たちは(選ばれし精鋭)なんです!!!」と、
本当に真面目に、井森先生を睨みつけるように声高に叫びました。
しかし次の瞬間、
講義室内が「シーーン」と静まり返り、
まさに「スベった」空気感に包まれました。
そんな学業もギリギリの日々を送りながら、
さらに半年経ち、ある日の選手会稽古で、国本師範からある事を伝えられます。
国「NHKから極真空手に対して今度、公開生放送をしたいと依頼が来ている。藤田を中心に出したいが、何人か来れるか?」
藤田雅幸:極真空手の全国大会で重量級4位に入った「北陸の野武士」で知られるめちゃくちゃ強い方です。
私としては、テレビに出られる喜びもあったので、
「押忍、自分は行けます」と答えました。
結局、5人に決まりました。
ー次回予告ー
この20年前の映像が、自宅のDVD倉庫に記録として残っていたので、私のYouTubeにアップしこのブログに貼り付けてどなたでも見れるようにします。
先ほど再生して伊藤スタッフと私の父親と見てみました。
ではまた、つづく